（一）貨物を船に積み込めば、船会社ではその貨物の受取証として船荷証券を発行することになっている。船荷証券は売買物品の象徴として船積書類の中でも中枢的存在であり、次のような三つの大きな特徴を有する。

1.船積貨物の受取証（Receipt）および引換証（Exchange）

船会社が契約貨物を運送するために、船積港でその貨物を受け取ったことを確認（受領証）し、また陸揚港でこれと引換えに貨物を引き渡すことを約す書類である。

2.貨物所有権を示す権利証券（Document Title）

船積貨物の権利を代表する書類であり、裏書譲渡により善意無過失の所持人は証券と引換えに貨物を引き取ることが可能となり、裏書きまたは引渡しによって、貨物の所有権が移転する国際的に流通できる有価証券でもある。(www.daowen.com)

3.運送契約の証拠書類（Evidence）

荷送人（荷主）と運送人（船会社）との間の運送契約を兼ねており、または運送契約の証書である。さらに、物品運送にあたって、運送人の義務と責任を示すよりどころでもある。

（二）船荷証券の必要記載事項

必要記載事項としては、運送品の種類、容積もしくは重量、荷送人、荷受人、運送人の氏名、船舶の名称および国籍、船積港および船積日、陸揚港、運賃などであるが、記載事項には制限がなく当事者の合意のもとに任意に記載できる。