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結婚したくないのか、できないのか~揺れるキャリア女子
「42.7%」。東京都に住む30代前半の女性の未婚率だ。この年代の女性の半数近くが結婚していない計算になる。その中には、男性と同じように仕事でのキャリアを積む一方で、結婚や出産もしたいと願う女性たちも多数含まれている。仕事と結婚の両立はなぜ、難しいのだろう。この4月に女性活躍推進法が全面施行されるなど女性の社会進出を求める声はあちこちで強まっているが、「仕事と家庭」という古くて新しい問題は、今も根本解決の兆しが見えない。「キャリアも結婚も」を目指す当の女性たちはどんな葛藤を抱えているのか。その思いを聞いた。
「仕事への理解」を結婚相手に期待
興味深いデータがある(図2-1)。国立社会保障·人口問題研究所の「第14回出生動向基本調査」(2010年)に基づく分析だ。それによると、女性が結婚相手の男性に求める条件は「家事の能力」が、「経済力」や「職業」を上回ったのだ。
家事の能力を「重視する」「考慮する」の合計は96.4%。それに対して、「経済力」はやや少ない93.9%だった。「職業」(85.8%)や「学歴」(53.5%)はさらに低い数字を示した。一方で、「仕事への理解」を結婚相手に期待する女性は9割を超えている。「私の仕事のキャリアをつぶさないで」という女性たちの叫びが聞こえるような数値だ。

図2-1 女性が結婚相手に求める条件
国立研究所の調査によると、女性の大半が結婚相手に「家事の能力」や「仕事への理解」を求めている。
「仕事のキャリア」と「結婚·出産」。その両立はできるのか、できないのか。東京都内で最近開かれたセミナー「女性リーダー養成コース」の会場で、参加者にマイクを向け、本音を語ってもらった。いずれも管理職やその候補の女性たちだ。
「結婚とキャリアアップを並行して考えられる環境ではまだないと思う。実際に結婚して、お子さんを出産された方は、(出産·育児の)休暇を取っている分、ステップアップが遅れると感じている。産休のブランクを考えずに済む環境づくりを(社会)全体として進めてもらいたい」(https://www.daowen.com)
「環境が整わなければ(仕事と家庭の)両立は難しい。(自分のことを考えると)家庭を取らなければならないときに仕事を辞めるか、その逆か、真剣に悩んでいるところです」
さらに、こんな声もあった。
「仕事を持っていたら家事を1人でやることは難しい。パートナー選びのとき、(自分の仕事を)理解してくれる方というのは大きなウエイトになってくる」
「出産となると、休まなければならない。戻った時に受け入れてもらえる環境を作っておかなければならないけど、中小企業だと難しい部分もあります。そこが課題です」
仕事と家庭の両立「女性だけでは無理」
この分野に詳しい研究者は、どんな見方をしているのだろうか。東京大学大学院総合文化研究科の瀬地山角教授の研究室に足を運んだ。瀬地山教授は、「3高」から「3平」になったと言われる理想の男性像について、こう言った。
「その平凡な年収が600万円とか言うんですね。600万円以上稼ぐ男性は25歳から30代前半くらいだと5%くらいしかいない。それを平凡と勘違いし、ほとんどいない層に群がって、いい男がいない、と言っている。それが婚活市場の現実だと思います」
「そんなことを考えるより、夫婦2人で400万円ずつ稼いだ方がいい。そのときに400万円の彼がちゃんと家事育児に参加してくれることが、重要なんです。400万+400万、地方都市なら300万+300万でもいい。その方が実はよっぽど豊かな暮らしができます」
そうした話の上で、瀬地山教授は家事や育児に対する「男性参加」の重要性を強調した。
「仕事と家庭の両立は女性だけがやるものではなくて、男性も含めて考えるべきもの。(女性が)仕事をしていこうと思ったとき、それをきちんと支えてくれるパートナーがいるのかどうか。今の女性はそこをすごく重視しています」