はじめに

はじめに

今から422年前の公元1600年、中国明時代の文人である袁宏道は生け花に関する著作「瓶史」を北京で完成しました。本書は中国と日本両国の間に文人華道の種を蒔き、同時に中日文化の交流の橋を架けたと言えるでしょう。

西風東漸、文人華道の種は日本へ飛んで、花開きました。北京から東京、中国から日本、「山川異域、風月同天」の物語は数千年にかけて述べていました。

江戸中期に日本の花道家、望月義想が「袁中郎流」を創立し、その後「宏道流」に改名しました。八世代に受け継がれて宏道流は日本で大きな存在になりました。日本最古の三大生け花の一つとして300年の間に十冊以上の重要な文献を出版しています。私たちが文人華道を研究する重要な資料の一つとなりました。

今、私たちは日本宏道流が引き継いできた種を中国に引き受けて、中国で芽生え、開花させて広めていきたい。これは中日両国の華道の先人である袁宏道と望月義想への敬意でもあると思います。

宏道流が八代続く中で、長年に渡り華道創作の心得を著した「宏道流華道」という作品集がここに完成することになりました。宏道流の著書は中国では初めての出版であり、伝統的な生け花のことを知りたい人や勉強したい人、特に文人華道に興味を持つ中国の皆さんにとっては非常に待ち望んでいた著書であります。

「宏道流華道」と同時に「宏道流通識」も出版されます。「宏道流通識」は歴史の観点から宏道流の発展及び成果を評花して、多くの人に宏道流に対しての理解を深められたらと思います。今後も宏道流の著書を継続的に出版をしていく考えでいます。伝統生け花の認識、中国生花を深く追求することなどに興味や関心があれば読者の皆さんの声をぜひお聞かせください。

花道の発展は、人々の努力と革新が必要です。伝承と進歩には多くの人を取り込むことが大事です。「志が同じものは道が同じ、道のあったもの、志が堅き」という言葉は信じています。

宏道流中国の皆さんの活動と発展は大きな希望です。みんなで袁宏道と望月義想に敬意を払いつつ花道の発展に邁進していきましょう。

純道

2022年5月1日