第四章 他動詞の面からみた[-cause]の関係Ⅰ
第三章の4節の観察の結果分析からわかるように、自他のペアは[+cause]の関係をなす場合もあれば、[-cause]の関係を成す場合もある。[+cause]の関係にある自他のペアは先行研究に多数扱われる一方、[-cause]の関係にある自他のペアはほとんど扱われていない。そのため、本書は[-cause]の関係を中心に論を進めたい。第四章と第五章では、[-cause]の関係を他動詞の面から見る。第四章ではいわゆる「介在性の表現」という現象を[-cause]の観点から改めて考察・分析する。