2.3.3 IOが人間ではない場合
2025年09月26日
2.3.3 IOが人間ではない場合
第2.3.2節では、主語は人間ではない場合を見てきたが、本節では、IOが人間ではない場合を見てみよう。
(29)农夫们给了土地充足的肥料。
[作例:自然度1.00]
農夫たちは土地に十分な肥料をやった。
(30)他的慈爱的母亲在贫苦的生活中给了他的童年许多温暖。
(張2010:620)
慈しみの母が貧しい生活の中で彼の少年時代に温かみをあげた。
例文(29)では、IOに当たるのは“土地(土地)”という非情物である。それに、DOが具体物の場合、プロトタイプの二重他動詞の“给”と同様、DOの位置変化やIOの状態変化が共に観察される。
また、例文(30)のように、DOが抽象物の場合、第2.3.1節で述べたように、DOの位置変化が観察できず、IOの状態変化のみが含意されるという意味的特徴をもつと言える。
(31)IOが人間ではない場合の“给”構文:
S给NP1(IO)NP2(DO)
[人間][非情物][具体物]/[抽象物]
意味フレーム:SがIOに働きかけ、IOがDOをもつようになる。