中国におけるビジネス環境(中国的商业环境)
(1)中国からの輸入、現地拠点設立の動きが鈍化
~今後3年の対中国ビジネス展開方針~
●既存のビジネス規模を維持する企業が増加
中国に対する今後(3年程度)のビジネス展開(貿易、業務委託、技術提携、直接投資)について、「既存ビジネスの拡充、新規ビジネスを検討している」企業の割合は2.6ポイント減の63.0%と、3年連続で減少した。一方、「既存のビジネス規模を維持する」企業は4.2ポイント増の22.4%だった。
●輸入増を図る企業が大きく減少
「既存ビジネスの拡充、新規ビジネスを検討している」企業の具体的な事業拡大の内容は、「販売拠点を新設・拡充する」、「生産拠点を新設・拡充する」、「輸入増を図る」、「業務委託を行う」の各項目が総じて低下傾向を示している。特に「輸入増を図る」は6.9ポイント減の23.6%と大きく減少した。一方、「輸出増を図る」は2.8ポイント増となった。
(2)需要拡大は持続するも、一部業種で調整を見込む
~北京オリンピック後の自社製品需要~
●「安定的に拡大傾向が持続」の回答が多い中、「窯業・土石」で6割近くが先行き慎重な見方
2008年8月に開催される北京オリンピック後の需要に対する見方として、「需要の伸び率は低下するものの、安定的に拡大傾向が持続する」(38.3%)との回答が最も多く、「需要は引き続き高い伸びを維持する」(17.2%)との合計が55.5%と過半数に達した。海外に製造拠点を持つ製造業(うち77.6%が中国に製造拠点を持つ)では、同合計が65.9%にのぼった。業種別では「石油・石炭製品/プラスチック製品/ゴム製品」(70.8%)、「化学」(67.4%)などの業種で、「引き続き高い伸びを維持」と「安定的に拡大傾向」の合計が高かった。「一時的な調整局面を迎える」と回答した企業も25.2%あったが、「長期に渡り低迷する」との回答は少数で、全体としては前向きな見方が多いようだ。業種別に見ると、「窯業・土石」で「一時的な調整局面」と「低迷する」の合計が57.1%と高く、建設需要の一巡などが懸念されているとみられる。