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日中貿易の現状分析

ジェトロは2008年1月に発表された財務省貿易統計(円ベース、輸出は確報値、輸入は速報値)をドル建て換算し、日中貿易を分析した。2007年の日中貿易は輸出と輸入を合わせた総額で2,366億4,035万ドル(前年比12.0%増)となり、暦年で初めて米国を上回り第1位となった。

中国への輸出は1,090億6,612万ドル(17.5%増)となり、初めて1,000億ドルを超えた。半導体等電子部品(IC)、高級または最新型のデジタルカメラなど電気機器、乗用車、自動車の部分品などの増加が顕著であった。中国からの輸入は1,275億7,423万ドル(7.6%増)となり、2002年以降最大の輸入先となっているものの、伸び率は徐々に鈍化している。輸入を牽引しているのは携帯電話、普及品デジタルカメラやDVD機器などの電気機器である。一方、原油および粗油、石炭、魚介類および野菜の輸入が減少した。

これにより、日本は1988年以降20年連続で貿易赤字を計上し、2007年の赤字額は185億812万ドル(27.9%減)となった。ただし、対中国香港向け輸出のうちの大部分が中国大陸に再輸出されている実態を勘案し、日中貿易を双方の輸入ベースでみると、日本が63億7,600万ドルの黒字となる。