対中国経過的セーフガード(对华紧急进口限制)

17、対中国経過的セーフガード(对华紧急进口限制)

中国のWTO加盟交渉の際に合意された、中国産品に特別に適用されるセーフガード措置。日本では、対中国経過的セーフガード関連の国内法令等が整備され(2002年4月1日施行)、さらに、発動要件の判断基準や調査手続等、対中国経過的セーフガードの制度運営に当たってのガイドラインがとりまとめられた。

なお、対中国経過的セーフガードの概要、および一般セーフガードとの主な違いは、以下のとおり。

(1)発動対象国

中国(一般セーフガードでは、発動対象国は限定されていない)

(2)発動の要件

中国産品の輸入の増加により、日本国内産業に市場かく乱またはそのおそれがあり、国民経済上緊急に必要があると認められる場合。(一般セーフガードでは、輸入の増加により、日本国内産業に重大な損害またはそのおそれがあり、国民経済上緊急に必要があると認められる場合。)

(3)措置内容

市場かく乱を防止または救済するのに必要な限度の輸入数量制限または関税引き上げ。なお、中国が合意すれば中国(輸出国)による輸出自主規制が合法的に可能(一般セーフガードでは禁止されている)。

(4)貿易転換に対する措置

中国と第三国間で対中国経過的セーフガード措置がとられたことにより、中国産品の著しい輸入の増加またはそのおそれがあり、国民経済上緊急に必要があると認められる場合に、協議で合意不成立であれば、中国産品に対し輸入数量制限または関税引上げを行うことができる(一般セーフガードには規定なし)。

(5)措置の期限

適用期間は中国のWTO 加盟から12年間(2013年12月10日まで。なお、一般セーフガードは恒久措置)。