外貨準備(外汇储备)

10、外貨準備(外汇储备)

外貨準備は、政府や中央銀行が輸入代金の決済や対外債務の支払いなどに備えて蓄えている外貨建ての資産をいう。外貨準備高が世界で一番多いのは中国で、日本は2番目に多い(2008年時点)。また、東南アジア諸国は、1997年のアジア通貨危機の際に外貨不足に陥った反省から、外貨準備を積み上げる動きが広がっている。一方で、先進諸国の多くは、外貨準備が増えると為替リスクが増すため、外貨準備をあまり持たないのが一般的である。

日本の場合は、過去の円売り・ドル買い介入によって、円と交換したドル資金が積み上がっている。為替介入では、まず政府短期証券を発行して民間金融機関から円を借り入れ、その資金を元手に外国為替市場で円売り・ドル買いに動くため、外貨準備が増えるのと並行して、政府短期証券の発行残高(国の債務)も膨らむ仕組みとなっている。