マーケットとして見た中国の魅力度

マーケットとして見た中国の魅力度

日本企業の競合相手として見た中国企業の実力は、急速にキャッチアップしつつあるものの、まだまだそのレベルは低いことが分かった。この点は、中国に対する特許出願件数の上位を占めるのが松下電器産業、サムソン、ソニー、フィリップスなどの外資系企業であることからも理解できる。エレクトロニクス産業においては、家電におけるハイアールや通信機械の華為技術などが有名であるが、これらの企業の競争力は豊富なサービス要員をバックにした営業面や価格面によるもので、イノベーション能力においては日本や韓国の企業のレベルからはまだ遠い。それではマーケットとして見た中国の魅力度はどうであろうか?

この点については市場の成長スピード、規模の大きさの両面において世界で最も魅力的な市場という意見に異論を持つ人はいないであろう。2006年から2010年までの第11次経済計画においては、「経済成長のスピードよりその質を重視」する方向が打ち出されたが、当面は少なくとも7%は超える経済成長が続くであろう。少子化時代に入って国内マーケットの拡大が望めない時代において、日本企業にとって中国市場の重要性は今後ますます高まるものと考えられる。