関連情報欧米各国が公的資金注入を決定
2025年10月24日
5、関連情報欧米各国が公的資金注入を決定
G7による行動計画(10/10)発表後、欧米金融機関は金融機関への公的資本注入や、流動性確保のための銀行間取引での債務の政府保証など、相次いで具体策を発表した。英国の大手銀行への出資発表(10/13)、ドイツの債務保証と銀行への資本注入で5,000億ユーロ確保(同)などに続き、米国でも2,500億ドルの公的資金注入や銀行負債の保証、無利子預金の全額保護など、包括的な対策を発表した(10/14)。
各国による一連の動きは、これまでの対症療法的な対策と比較すると、金融機関の資本不足と流動性という抜本的な問題に、直接働きかけるものとして評価できる。市場においてもいったんは好感され、欧米を中心として世界的に株価は急反発をみせた。
しかし、各国の不動産価格の下落基調持続を背景に、信用収縮や実体経済悪化が続く見通しに変わりはないとの見方から株価の上昇は続かず、市場の混乱を沈静化させるきっかけとはならなかった。
また、今回の対策では必ずしも十分とは言い切れないことも、市場の疑心暗鬼につながった。今回は厳格な資産査定の後に十分な資本を注入するわけではなく、金融機関の資産劣化は更に進行する可能性が高いため、不良資産の買い取りと共に、追加的な資本注入が必要となるリスクは拭いきれない。