日本の課題は「ビジネスコスト」と「外国語能力」

3、日本の課題は「ビジネスコスト」と「外国語能力」

投資環境の好ましさに対する評価が27%と高い一方、拠点別にみる日本の魅力度は最も高い評価を受けた「研究・開発拠点」においても25%に留まっている。また、アジアでの新規投資の可能性について「投資計画がある」と回答した43%(90社)の企業に、対象候補国を最大3カ国あげてもらったところ、日本は中国(57%)、インド(35%)に続く18%で3位であった。最近の投資プロジェクト動向をみると、日本のアジア内の順位は5位というデータも存在する。このように、外国企業側の投資環境に対する評価と実際の投資実績・計画には依然として大きな開きがあるが、これは上述した日本の「強み」を生かしきれていないことに加え、日本が低い評価を受けた「人件費」(7位)、「法人税」(4位)などビジネスコストに係る日本の「弱み」の項目が、企業の意志決定に大きな影響を与えているためだと考えられる。実際、上述したアジアで「投資計画がある」と回答した43%(90社)の企業に新規投資の理由をたずねたところ、「ビジネスコスト削減」を選んだ企業が47%で最高となっている。また、外国語能力に関しても日本に対する評価は低く、ビジネスコストとあわせ、ビジネス上の障害となっている。

こうした障害は政府に対する要望にも反映されており、要望項目を最大3点挙げてもらったところ、「税負担の軽減」(45%)、「外国語レベルの改善」(40%)、「労働コストの削減」(38%)が上位を占めた。