第1 のポイント、「収入の確保」
2025年10月24日
第1 のポイント、「収入の確保」
日本では、銀行の痛み方が米欧のようにひどくないので、現在、米欧のような意味での金融危機にあるわけではない。日本の大手銀行は、不良債権処理を終えた後に高収益を稼いで、財務的に余裕のある状態だし、国際的な事業展開が遅れたことがけがの功名となって、サブプライム関連商品の損失額が、米欧の大手銀行よりも1けた小さい。不動産、建設業や中小企業などの資金環境は厳しいが、米欧のように銀行間の資金取引市場が凍り付いて、企業にも資金が回らなくなるような状況にはなっていない。
金融危機の日本への影響経路は、もっぱら不景気だ。たとえば、北米が稼ぎ頭の市場だった自動車メーカーの業績は、北米の需要停滞で悪化するだろうし、円高の悪影響も受ける。政府が認めているように、日本の景気はすでに後退局面入りしている。これに、今後予想される米欧の景気悪化が、さらにのしかかる展開が予想される。
8月の雇用関連の統計を見ると、有効求人倍率は0.86倍まで低下、所定外労働時間は前年比-2.9%。現金、給与支払額も前年比マイナスに転じて-0.3%、完全失業率は前月よりも0.2%上昇して4.2%だ。求職環境の悪化はすでに進んでいるが、これがさらに悪くなるだろう。
自分の努力だけではどうにもならない面はあるが、職を安定させて、収入を確保することを重視したい。たとえば、会社を辞めてから(「辞意を伝えてから」も同じ)転職先を探す、というような手順は不適当だ。